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先人の叡智を自分の行動に落とし込んで、成長と成果に変えていくブログ。焼きたてのトーストにバターを塗るように、日々の学びを薄く薄く伸ばして染み込ませてゆく

目標はどのように設定するのがよいか?  『経営者になるためのノート』柳井正 著

 

経営者になるためのノート ([テキスト])

経営者になるためのノート ([テキスト])

 

 

 

本年もよろしくお願い致します。

年始ですので目標設定について書かれた本を取り上げてみます。

 

 

非常識と思えるほどの目標を掲げよ 

 

 

みなさんは「目標を高く持って」仕事をしていますか?ちょっと頑張れば到達できそうな目標のことを、高い目標とは言いません。イノベーションが組織にもたらされるために必要な高い目標とは、「常識で考えたらまともとは思えない」くらいの高さの目標を言います。

 

非常識だと思えるくらいの高い目標を掲げると、それを実現するためには、いろいろなことを変革せざるをえなくなります。「既存の延長線の発想ではこの目標は実現できないな」と思いいたるようになります。

 

 

既存の延長線の発想ではできないことに自らを追い込む

  

 

このことにどのような意味があるのでしょうか。それは、既存の延長線の発想という思考の呪縛からの解放です。

 

思い描いたことを実行に移す。できる方法を探し、できるまで実行する。その結果イノベーションが生まれ、そのイノベーションが顧客を創造し、掲げていた高い目標を実現させてくれるのです。

 

目標を設定した瞬間、その実現にはさまざまなイノベーションが付随してくるはずです。

 

経営はまずゴールとなる目標を設定するところから始めるのです。そこからやるべきことが明確になるのです。目標が高ければ高いほど、実現のためにやるべきことはイノベーティブなことになるはずです。まさに、思い切った高い目標を掲げることは、イノベーションの母となり、顧客創造という子を産むのです。

 

 

仕事の基準を高く持つ

 

 

経営者として成功するために大切なことに、「質に対する意識」があります。

 

質の基準というのは、「お客様にとって本当によい」と思えるラインのことです。組織の中で行われる全ての仕事の基準をそのラインに設定し、絶対に妥協しないで追及してほしいということです。毎回、毎日、この高い基準での成果を目指して仕事をして、毎週、毎月、毎年、この規準をさらにあげていくようにしてほしい、ということです。経営者として高い目標を実現しようと思ったら、ここのところを絶対に譲ってはいけないということです。

 

 

自分なりの基準では意味がない

 

 

基準を高く持つ、と言った時、勘違いしてはいけないのは、「自分なりの基準」ではないということです。「自分なりにできている」と言う人は多いのですが、それでは経営的には全く意味がないのです。

 

お客様が本当に喜んで下さる基準でできてきないといけないわけです。

 

念頭に置いてほしいのは、「世界で一番」の質の高さを目指し、それを自分たちの基準にするということです。 

 

「自分は結構できている」と思っている人は、ただ単に設定している基準が低いだけかもしれないです。

 

五十点を目指せば、達成自体は簡単です。しかし、お客様にとって不完全なことを達成したところで、何の意味があるのでしょうか。

 

それよりも高い基準を目指した方がよいのです。なぜならば、たとえその基準までいきなりは到達できなかったとしても、低い基準を目指して取り組んだものよりも、よいものができているはずだし、そうした挑戦的なプロセスからは何らかの収穫や学びが生まれるはずだからです。

 


〈今日のコンテンツ〉

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1. この本はどんな本か?

2. 常識を疑う

3. 基準を疑う

4. まとめ

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1. この本はどんな本か?

 

ファーストリテイリング社の会長兼社長である柳井正氏が、これまでの自身の経験やたくさんの失敗を通して学び、実践する中で確信されたという、経営における考え方や方法について書かれた本です。

 

「そこそこできる経営者」ではなく「社会に大きく貢献し、社会をよくする経営者」になるために、柳井氏が必要だと考える4つの力について具体的に説明されています。

 

成果を上げる経営者に必要なそれら4つの力とは、「変革する力(イノベーター)」、「儲ける力(商売人)」、「チームを作る力(リーダー)」、「理想を追求する力(使命感)」の4つです。

 

今回は「変革する力(イノベーター)」について書かれた章から引用しています。

 

この本のタイトルは「経営者になるための」と銘打たれていますが、現役の経営者や、将来経営者になることを目指す人でなくとも、自身の成長を志す全ての人が対象読者となり得ると思います。ここに書かれているレベルの基準を持って日々の仕事に取り組めば、間違いなく成長できるし、成果も出るでしょう。

 

現在の日本を代表する企業の一つとなったファーストリテイリング社の経営者は、一体どのような考え方や意思決定基準を持って日々の仕事をしているのか。

 

それを知るだけでも大きな意味があると思います。私は自分の仕事に対する姿勢の甘さを思い知らされ、多くの気づきを得ることができました。

 

 

2. 常識を疑う

 

ちょっと背伸びすれば手が届きそうな目標を設定したとします。それを考えた時、達成までの道筋は頭の中になんとなくイメージできているはずです。 

 

「これをやって、それからあれをやって、それでダメならあれもやれば、この目標は達成できる」

 

と。

 

このようにある程度の見通しが立つのは、過去にそれらの打ち手を実行してうまくいった経験があるからだと思います。

 

つまり、過去の成功体験に対して、試行回数や投入時間さえ増やせば到達できる目標というのが「常識の範囲内」での目標設定です。式にすると、

 

(常識の範囲内の目標達成)=

 (過去に成功した行動 or 結果が予測できる行動)

  x (試行回数)

  x (投入時間)

 

の掛け算のような感じに書けるでしょう。すでに成功までの道が拓かれている(実証済み)であるため、あとは制限時間内でのチャレンジの回数をどれだけ増やせるかが勝負、という場合です。

 

一方で、途方もない目標、どうやればそこに辿り着けるのか見当もつかない目標を設定した場合はどうでしょうか。

 

このような「常識の範囲外」の目標を設定した時は、「過去の成功体験」というものをベースにして考えることはできません。これは、「過去に成功した行動や、結果が予測できる行動」の積み重ねだけではその目標に到達できないだろう、ということだけはうっすらと感じ取ることができる場合です。

 

「常識の範囲外」、「非常識」な目標を達成しようとするならば、今までのやり方を「廃棄」して、まったく新しいやり方を考え実行する必要が出てきます。

 

 

目標設定は、通常であれば「SMART」に当てはまるものが良いとされています。

 

「SMART」は目標設定における考え方で、Specific(具体的であること)、Measurable(測定可能であること)、Achievable(達成可能であること)、Related(自分の状況や価値観と関連性があること)、Time(時間の制約があること)、の5つの頭文字をとったものです。

 

この考え方に沿って目標設定を行うことで目標が達成しやすくなり、また、目標に対して現時点で何合目ぐらいまで到達したのかが分かりやすくなります。

 

ところが、本書で推奨されている目標設定の方法は、この「SMART」の中の、特にAchievable(達成可能であること)の考え方からは大きく外れています。最初から「非常識と思えるくらいの目標を掲げよ」、と言っているくらいです。

 

達成できるかどうかも不明なのに、非常識な目標を設定する。このことの何が良いのでしょうか?

 

一つ目の利点は、今までの方法では全く通じない、ということになるので、新しい方法を模索せざるおえなくなる、つまり、「必死で考えるようになる」ということです。

 

現状からちょっと背伸びした程度の目標を設定した場合は、「だいたいこのくらい」やれば目標に到達する、という「さじ加減」がある程度見えています。従って、淡々と作業を行っている時のように「思考停止した状態で」行動を行うことになります。

 

結果として、目標を達成できたとしても、得られる気づきや経験値が少ないものとなってしまいます。

 

 また、二つ目の利点として、非常識なくらいの目標を設定した場合は、その目標実現のための「新しい行動」を必死で考えて、それを実行して、その結果、たとえ失敗したとしても、「その失敗から非常に多くの学びを得ることができる」ということがあります。

 

「新しい行動」、「自分や組織にとっての未知へのチャレンジ」は得られる気づきや経験値が多いのです。これは成長を加速します。

 

失敗も含めて、困難を乗り越えていく姿というものは、人を強く惹きつけます。例えば、ツール・ド・フランスや箱根駅伝などの長距離レースでも、まっすぐで平坦なコースを淡々と走っている時よりは、アップダウンが激しかったりカーブの多いコースを走っている方が、中継番組を見ている視聴者としても面白いので引き込まれますよね。

 

人生においても、紆余曲折や挫折経験からの復活は、レースや映画などと同じく、人を惹きつけ、主人公に感情移入させる物語の王道のパターンです。ファンや応援してくれる人を増やしてくれます。これは「顧客創造」にも繋がってきます。

 

それに100%失敗なく成功の階段を上り続ける(それが現実的に可能かどうかは別にして)よりは、致命傷にならない程度の失敗や苦労をたくさん経験した方が、個人としても打たれ強くなります。自分にとっての許容できる範囲、つまり「無理」や「限界」を決めるものさしが長くなります。これが「成長」です。

 

 

3. 基準を疑う

 

自分の成長について測る時によく言われることとして、「相対比較」と「絶対比較」というものがあります。簡単に述べると「相対比較」は他人との比較、「絶対比較」は過去の自分との比較です。

 

私たちはどうしてもうまくいっている他人と比較して、自己嫌悪してしまいがちです。このような「相対比較」を行うと、安心感がなく、自己肯定感もなかなか得られません。

 

そこで、昨日の自分に比べて今日の自分はどれだけ成長できたかという「絶対比較」で考えよう、ということが言われていたりします。自己との比較であれば、他者との比較による焦りや不安感は軽減され、自己肯定感も育みやすくなるためです。

 

 

ただし「絶対比較」の場合も気を付けないといけないことがあります。それは、基準となるものさしを自分自身において、「昨日の自分よりは、今日の自分は成長(行動)できた」と言っていると、単なる自己満足で終わってしまう場合があるということです。

 

私たちは社会生活を営む上で、他者とのつながりにおいて、他者からのニーズを満たすことで生活の糧を得ています。

 

自己成長と自己満足のベクトルと他者からのニーズに応えることのベクトルの向きが揃っていれば問題ないでしょう。でも、多くの場合はこの2つは、ちょうど時計の長針と短針のように、それぞれがバラバラな向きを向いていることの方が多いでしょう。

 

そして自己満足と他者からのニーズに応えることの向き(角度)のずれが大きいほど、

売上や利益を得ることは困難になっていきます。

 

 だからこそ、今回引用した部分に述べられているような問いを自分に対して、日々、問いかける必要性が出てくるのです。

 

 

「それはお客様が本当に喜んで下さるものになっているか?」

「世界一の品質だと胸を張って言えるものか?」

 

 

時計の針が1時間に一度しか重ならないように、お客様のニーズというのは絶えず変動しています。昨日のお客様の基準は、もう今日には当てはまらない。そういう意識を持って、 企業の経営理念のように、上記の問いに「Yes」と言える状態を、どこまでも追及していかなくてはいけないのだと思います。

 

自己(組織)の成長と、そのことにより多くのお客様から必要とされること、これらの方向が一致するということは、大きな社会貢献に繋がるとともに、とても幸せなことだと思うのです。

 

 

4. まとめ

 

・非常識なくらいの目標を設定して、その実現のために今までの行動とは異なる

 行動を取り続けることで、イノベーションが起こり、大きく成長できる

 

・他者との比較ではなく、過去の自分と比較することで自己肯定感を育むことが

 できる

 

・「自己成長と自己満足」の針と「お客様のニーズ」の針が重なる状態を追い続ける

 ことが大切

 

 

 

〈今日の読書を行動に変えるための
 個人的チャレンジシート〉
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1.この本を読んだ目的、ねらい

 

・日本を代表する経営者の一人から、思考と行動様式を学び

 実践する


2. 読んでよかったこと、感じたこと

 

・自分の現在の立ち位置と目指すべき方向性を把握することができた

 


3. この本を読んで、自分は今から何をするか

 

・お客様目線の基準を常に意識する

 

・桁違いの目標を設定し、それを実現するための方法を考え、

 超高速でPDCAを回す

 


4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

 

・3カ月前の自分が遥か遠い昔に感じられるくらい成長している

 

・この本に書かれている経営者の思考パターン、行動パターンで

 意識的に行動できるようになっている

 

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